翻訳と詳しい説明

英文などを翻訳する際に、全てを細かく翻訳してしまうと、とても説明臭い文章になってしまう事もあります。

「彼は、大道理の向かいに見えるレストランまで、大通りを横切ってわたり、道に沿って歩いていった」となると、たしかに直訳するのであれば、その様な表現になるのかもしれませんが、日本語においては、表現する必要のない言葉もあるので、省力できる部分はなるべく省略した方が良く、「彼は、先に見えているレストランまで、大通りわたり、道沿いに向かった」などで十分な気がします。

しかし、小説などの表現では、なるべく説明臭い表現を避けた方が良いですが、翻訳する媒体によっては説明臭い方が良い場合があり、技術書や専門書などは、なるべく詳しい状況が分かっていないと、本の意味をなさなくなってしまう場合もあるので、詳しい説明をした翻訳が良いと思います。

翻訳者や翻訳会社などは、読者に与える必要のある情報を整理して、翻訳する媒体によって、何処までの情報を与えられる文章に翻訳するかを決めなければいけません。

翻訳と時代

人間とは過去に行く事も、自分で知っている過去以外は見る事も出来ませんので、先人が残した、書籍や語りによって過去を知り、時代を知るものです。

そして、ある程度の事は知り得る事は出来ても、そうとう深く調べなければ、実際にその時代を生きてきた人物よりも、その時代の情報を知り得る事は出来ないでしょう。

以前、翻訳会社に勤めている翻訳者の知人に聞いたのですが、その翻訳者は結構な高齢であり、流石に戦時中はまだ生まれていなかった様ですが、かなり勉強をしているので、知識としては、とても広く深くもっており、その知人がある時に、日本の戦時中を題材にした海外の小説を、日本語に翻訳する仕事を請け負ったそうですが、それらを翻訳する際に、当時の日本では有り得ない様な表現や言語が出てきたと言います。

それが、現在の日本であるならば、当たり前の表現であっても、時代によっては、矛盾が生じてしまう場合もあるのです。

漫画本ですが、「はだしのゲン」と言う本があり、本の注意書きの部分に、相応しくない表現が出てきますが、当時の時代背景や描写を崩さない為にあえて残しています。と言った注意書きがされていて、現在ならば避けるべき表現であっても、作品のメッセージを壊さない為にもそのまま使っているのです。

これらの媒体を翻訳する際には、本のメッセージを壊さない為にも、相応しい翻訳をして欲しいものです。